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大好きな「詩のボクシング」について ささりん 「詩のボクシング」と付き合うようになったのは、様々なきっかけがあったから。一生上手くやっていこうと決心したのは、自分のマラソンに行きづまった時かもしれない。「詩のボクシング」と出会う前、僕は体を追い込むことで記録をひねり出し、レース中盤の粘りやキレ味のあるラストスパートを観客に見せる、つまり実際に「走ること」で自分のマラソンを表現していた。しかし、上手くいくことは少なく、自分のイメージと実際の身体の動きにズレを感じることが多かった。 このまま衰えていくのだろうか・・・。 肉体が衰えていった時、自分は何を使ってマラソンを表現し伝えていくのか?僕の肉体が人生で一番走れている肉体であるうちに、その手段を探したくなった。 記録した文字や映像もあるが、走る身体の感覚を生々しく他者と共有できる手段に「声」があった。そして、それをマラソンのように全身を使って、リアルな時間制限の中で己と戦う緊張感と重圧を得ながら出せる「詩のボクシング」があった。 大会出場を重ねていくうちに、走らないと自分に合ったリズムで朗読ができないことや迷いを捨てた飛躍(ラストスパート)を遂げないと良い結果が出ないことが分かった。また、マラソンコースの起伏に合わせてフォームを変えるように、聞き手や残り時間の状況に合わせてテキストを変える対応力がいることを学んだ。 「走ること」と「詩のボクシング」は似ている・・・。 こうして生まれた独自の「ランニング朗読」を続けることで「走ること」とも改めて向き合うことができ、イメージと肉体の一致によってマラソンの記録も向上した。同時に、「スポーツ」と「文芸」が融合した新たな表現方法の誕生に、これからも自分のマラソンを他者と共有し続けることができる可能性を感じることができた。 「走ること」と「詩のボクシング」が似ているという点は、他にもある。大会前につきまとう緊張と不安。しかし、やるしかない!と覚悟を決めて舞台に立った瞬間にそれらが無くなっていくこと。集中してやり遂げた時ほど大会中の記憶は断片的にしか残っていないことなど。 過去の歴代チャンピオンらが集まる今回の選抜式「詩のボクシング」in北海道・湧別町も同じく、初めてサロマ湖100kmマラソンに臨む時はこうなのかな?と思うような緊張と不安が舞台に上がるまでつきまとい、振り返ると大会中の記憶は断片的だ。 1回戦、ハナメガネ選手が手作りの「交通安全」カバーをつけた赤いランドセルをからい勢いよくターンした瞬間。 2回戦、岩﨑圭司選手が朗読最後の落としどころで発した決め台詞で観客が「お〜っ!」と沸いた瞬間。 3回戦、倉地久美夫選手が走り出した瞬間。“倉地さんが走った!”と僕自身が驚いた感覚と足踏みしている倉地選手の姿が今でも鮮明に残っている。 決勝戦、松永天馬選手とリングに上がった瞬間。過去に高知県であった選抜式全国大会1日目の決勝戦と全く同じ場がそこにあり、懐かしさを感じた瞬間。松永選手の鋭い目、淡々と、でも力強く放たれる声、「明日も生きてくれるかな!?」・・・「僕はあなたの幽霊です」。 決勝戦は100kmマラソンで言えば80km地点くらいだろうか。走ったことが無いから分からないが、即興詩対決の後攻で僕の足は本当につっていて明らかに止まっていた。ストレッチをしたけれどダメだった。それでも走る肉体の叫びをひねり出し、リングロープがゴールテープに見えた時、その前でマラソンのフィニッシュポーズを決めた瞬間、3分ちょうどのゴングが鳴った。 断片的であることは変わらないけれど、たくさんの記憶の断片が残っている決勝戦は、集中できていなかったのかもしれない。マラソンで走れなかった時と良く似ている。 これまでマラソンで走れなかった時、それは「走ること」の自分の限界であると同時に次の可能性でもあると思い、その後も走り続けてきた。それができたのは、僕が「走ること」が大好きだからだ。 全国大会が終わった今、声と言葉によってマラソンを表現し伝える自分の限界と可能性を感じている僕は、これからも「詩のボクシング」を続けたいと思っている。 ということは、 僕は「詩のボクシング」が大好きだ。 ![]()
by poetryboxing
| 2014-06-08 16:30
| 2014.5.24選抜式・全国大会
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